フェルメール追っかけの旅

2015.4実況中継  <オランダ編>  1.アムステルダム集合  2.国立美術館  3.風車  4.デルフト  5.マウリッツハイス美術館とチューリップ  <ベルギー編> 6.アントワープ  7.ブリュッセル  8.王立美術館  <イギリス編> 9.ナショナル・ギャラリー  10.バース  11.テート・ブリテン  12.コートールド・ギャラリー  13.コッツウォルズ  14.ユキコさん感想文  付録.ホテル予約トラブル


デン・ハーグを朝発ってベルギーのブリュッセルまでの切符を買い、アントワープで途中下車。事件発生、スリにやられる !!

駅には自由に弾けるピアノが置いてあるが、見たところ弾くのは男性ばかり

デン・ハーグの駅でブリュッセルまでの切符を買った時に、アントワープで途中下車できるかどうか尋ねたら、時刻表を印刷してくれました。ブリュッセル行きのIntercityは1時間毎にあり、9:28発の各駅でDen Haag HSまで行ってIntercityに乗り換えると11:15にアントワープに着くというものでした。もう一つ、下の左の図のもありましたけど、9:28に乗る方がいいよという意味で×印がついていました。

駅でピアノの演奏を聴きながらパンを食べ、コーヒーを飲んで9:28の電車に乗り、次の駅にやってきました。ここはどこ? ホームに駅名が見当たらないわ。電車の中に表示されている駅名は Den Haag HSとは違うけど、いやに長く停車するわねぇ。誰かに聞いてみよう。。。
ゲッ! 表示されている駅名は行先で、ここが Den Haag HSなんですって! しまったと思った時にはドアが閉まってしまいました。仕方がないから次の駅からDen Haag HSに引き返してきましたよ。そして左の図の10:19発の電車を待っている時に、リュックをしょった一人旅の日本人女性がやってきたのです。彼女もアントワープに行くとのことでした。10:43発の電車に乗るつもりだったけれど、ホームは寒いし、1回乗り換えはあるけれど10:19発の電車でも到着は5分しか違わないから、一緒にこの電車で行きましょうということになりました。電車が発車し、2駅ほど過ぎたところで何かおかしいことに気付いた私。車内の電光掲示板には、これから停まる駅名と到着時間が表示されるのですが、Roosendaal到着が20分も後なんです。そしてよくよく見たらこの電車はIntercity(急行)ではなく、Sprinter(各駅)になっているではありませんか! 時刻表を印刷してくれた駅員さんも知らないうちに、予定が変わってしまったようです。

あらま、どうしましょ。ここで若い女性が言いました。「私、戻ります!」 若いと決断が早いわねぇ、戻ると言ってもギリギリよね。ホームや階段を走らないとならないけど、重いスーツケースを持っている私達には無理。夕方までにブリュッセルに着けばいいので、私達はこのまま行きましょう、ということで彼女と別れました。そしてユキコさんのiPadで調べてもらったら、この電車はロッテルダムで後から来るDen Haag HS 10:43発の電車に乗り継げることが分かりました。運命のロッテルダムです。

2回乗り換え 1回乗り換え
 カバンにスカーフを巻きつける友

ブリュッセル行きのIntercityが入線してきました。この電車に乗ってアントワープで途中下車します。電車に乗るのに3段もの階段があってスーツケースで苦労していると、若い男性がやってきて手伝ってくれました。スーツケースを抱え上げて客車の網棚に乗せようとするので、そんなことされては降ろす時に大変だから断り、座席に落ち着いて気が付きました。バッグのファスナーが空いている! 荷物で私の気を逸らせておいて、仲間が盗んだのです! 電車の外へ出てみたけれど、その辺にいる筈もありません。ヨーロッパの駅は切符を持っていなくても、誰でもホームへ入って来れるのでスリが横行します。いつもはバッグを斜め掛けにして、その上から上着をはおるのに、その時は失念していたのも失敗でした。

アントワープ警察署

盗まれたのは私の財布(現金2万円相当のユーロ)とユキコさんとの共通の財布(3千円相当のユーロ)、それに旅行の資料を入れたファイルです。その中にはユーロスターの乗車券、イギリスのバースまでの鉄道切符の予約票、コッツウォルズ観光のバウチャーが入っていました。

現金は諦めるとして、財布の中に入っていた2枚のクレジットカードの停止をしなければなりません。アントワープの駅でロッカーに荷物を入れ(小銭必要)、駅のインフォメーションに訳を話して電話を借りれるか聞いてみました。電話は無く、アントワープ警察署の場所を教えてくれました。ちと遠いので夜にホテルから電話するという私に、ユキコさんは今すぐ警察に行く方がよいと勧めてくれました。ちなみにその他の現金と予備のクレジットカード、パスポートと飛行機のeチケットは旅行中は肌身につけています。そうそう、ロッカーで一人旅の日本人女性に再会しました。同じ電車だったのね。小銭がないからくずしてくると言って、爽やかに去って行きました。

白アスパラガス

アントワープ警察署は入り口から中を覗くと豪華な内装で、Ticketという文字が見えてどこかの劇場に迷い込んだかと思いましたが、入口に座っていたのは警察官で、Ticketとは銀行の入口にあるような順番の札を発行するものでした。盗まれた経緯を話すと「なんだオランダでのことか」と言われましたよ。そうよね、オランダの事件をベルギーで話しても真剣には取り合ってくれないわよね。一応、書類は作ってくれましたが、私の目的は電話を借りることです。でもダメなんですって、あ~あ、くたびれ儲け!

そうとなったら、さっさと観光に行かなくちゃ! でもその前に腹ごしらえ。予定していた地ビール工場兼レストラン('t Pakhuis)へ行く時間はなくなったので、目についたレストランに入ってビールとアスパラガスの大皿を注文、パンもついてきました。「これはオードブルだよ」と言われたけれど、かまうもんですか、食べたい物を食べるのよ!

 キリストの昇架  キリストの降架 キリストの復活

アントワープといったら、何と言っても聖母大聖堂(ノートルダム大寺院、Cathedral of Our Lady)です。ここには4点のルーベンスの作品があり、「フランダースの犬」のネロが飼い犬のパトラッシュと共に死んだのは「キリストの降架」の前です。

 聖母被昇天    

「聖母被昇天」については前頁に書きましたように、下の群集の中央に赤い服を着た女性が描かれていますが、これはマウリッツハイス美術館の下絵にはありません。というのは、これを製作中にルーベンスの奥さんが亡くなったので、奥さんの顔に書き替えたのだそうです。(大きな絵はこちら

 アントワープ聖母の慈悲   奥にある絵が「聖母被昇天」   聖母大聖堂

大聖堂前の広場に日本語の説明書きの付いたネロとパトラッシュの像があったのですが、台座が壊れたので修復するために像は取り外してありました。巨人アンティゴーンの手の説明はこちらに詳しいです。手の形をしたチョコレートやクッキーが売られています。
アントワープには「もう一つの大聖堂」と言われる所があります。それは重厚な建物のアントワープ駅です。ルーベンス・ハウスは残念ながらお休みでした。

 巨人アンティゴーンの手 アントワープ駅 

電車に乗ってブリュッセルにやってきました。ブリュッセルは、北駅(Brussel Noord)・中央駅(Brussel Centraal)・南駅(仏:Bruxelles Midi/蘭:Brussel Zuid)とあるので間違わないようにしないといけません。旧市街は中央駅が近いのですが、ユーロスターが南駅から出るので宿は南駅近くに取り、タクシーでビール居酒屋アラベカスへ行きました。ランビックという名のビールがとってもフルーティで美味しかったです。ウェイターのおじさんにどこの国から来たかと聞かれ、日本と答えると握手を求めてきました。

a la Becasse ランビック 右はラザニア

さて、ホテルからクレジット会社に電話をかけようとしたら、外線に繋がらないのです。三ツ星以下の小さなホテルは部屋ごとの電話代を計算するシステムがないのね。これも今回の教訓でした。ホテルの人に話したら携帯を貸してくれましたが、私が控えていた電話番号は携帯からでは繋がらず、結局ホテルの人がパソコンで調べてクレジット会社に電話をし、さらに日本語オペレーターのいる所に回して貰いました。これで1件は落着、「もう1件あるのだけど」と言うと、「それはまた明日。僕も仕事があるからね」と言われてしまいました。ごもっともです。


フェルメール追っかけの旅
2014.6】 1.アムステルダム集合  2.国立美術館  3.風車  4.デルフト  5.マウリッツハイス美術館とチューリップ  6.アントワープ  7.ブリュッセル  8.王立美術館   9.ナショナル・ギャラリー  10.バース  11.テート・ブリテン  12.コートールド・ギャラリー  13.コッツウォルズ  14.ユキコさん感想文  付録.ホテル予約トラブル