10.いじめた話

その昔、客室乗務員組合が盛んにストライキをしていた頃、友人とヨーロッパ旅行に出発する日が丁度ストの日にぶつかりました。多くの便が欠航になり、かろうじて飛ぶ便は管理職総出です。チーフパーサー といえば当時は男性だけでしたから、おっさんばかりの乗務員でお客様はさぞかし楽しくなかったことでしょう。m(_ _)m  
またこんな日に私的な旅行でそのフライトに乗った乗務員は、生きた心地がしなかったと思います。(笑) あ、笑い事ではありませんね。

幸い私達は他社にお世話になったので助かりました。でも国際線の出発ロビーで、硬い表情をした黒い制服の集団(チーフパーサー) がやって来るのが見えた時、私達が柱の陰に隠れたのは言うまでもありません。(^^ゞ

さて会社はスト対策の一つとして、「地上職の男性新入社員に訓練を受けさせて、1年間客室乗務員として仕事をさせる」 ことを考え付きました。組合は別ですからストの時でも飛ばせるわけです。
ところが彼等は訓練を終えると  スチュワード を通り越して、いきなり アシスタントパーサー になったんですね。これにカチンときていたσ(・・?)

ある日、OJT(見習い) で東大出かなんかの可愛い顔をした兄ちゃんが乗ってきました。そして私と一緒にジャンボの後のギャレーを担当したのです。行きはまぁまぁでしたが、ホノルルからの帰りにコトは起こりました【続】

    

満席のホノルル便といったら、殆どが日本人の団体さんです。帰りは食事にちょっとしたお寿司がついたので、久し振りの日本食にお客様は大喜び♪ ということは日本人ですもの、お茶が欲しい! だからギャレー担当はひたすらお茶作りです。

さて、後のギャレーは食事のカートがある場所と飲み物を作る場所が背中合わせになっていて、ギャレリーナ は前と後を行き来して大変なのです。幸いこの時は訓練生がいましたから、彼にお茶作りを任せました。
私としては 「来る時に一度やってるから大丈夫でしょ」 と、てっきりできるものと思って待っているのに、いっこうにお茶が出てきません。前と後の間の、物を受渡しする穴に頭を突っ込んで聞きました。「お茶はまだ?」 「はい、やってます」

それでも出てこない 痺れを切らして後のギャレーを覗きに行きました。彼は1つの土瓶にお湯を入れながらボーッと立っていました。200人のお客に土瓶が1個…
何をしてるのよ!」 「お茶を作ってます」 ●※■?&▲×!!!

「お茶はこうやって作るのよ !!」 私は全部の土瓶にティーバッグを放り込んでお湯のタンクの下に並べ、次々にコックをひねって見せたのでした。
あ、念のために申し上げますが、飛行機の中はエンジンの音がうるさいので、私の怒鳴り声はお客様には聞こえなかったと思います。聞こえなかった筈…です。(^^ゞ

それはそうとあの兄ちゃん、今ではそうそうたるポストにおられることでしょう。
スチュワーデスに怒鳴られた若き日の苦い思い出、覚えていますか〜?(爆)