3.お客様の思い出

芸能人のお客様 ・・・・・ 元グループサウンズの歌手Jさんとお友達のKさん、お二人でヨーロッパ旅行の帰りでした。真冬の北廻りで機内はガラガラ。Jさんは前の座席の背もたれを前方に倒して、その上に足を伸ばしてくつろいでおられます。(本当はそんなことしてはいけないのよ。)
「あー、椅子がこわれる。あなた(後輩)担当でしょ、注意してらっしゃい。」
「えー、私がですかぁ(泣) 私、ファンなんです。そんなこと言えませ〜ん。」(笑)

そんなやりとりを、Kさんは少し離れた席にきちんとお座りになってニコニコと眺めておいででした。そうです、後から思えばそれは正に 「観察する」 という風で、私は 「おや?」 と思ったのです。
その後、ほどなくしてKさんと私達の先輩との婚約発表がありました。どうりで…

文化人のお客様 ・・・・・ 英語がペラペラで、当時テレビに引っ張りだこだった若い女性。(今もご活躍です。) 基礎英語程度しかしゃべれない私にとっては文字通り ‘雲の上の人’ です。
「近づきがたいかなー?」 とビクビクしていたら、
「私、スチュワーデスさんに憧れてて、ホントはなりたかったんですよ。」
「えー?、うそー!」 とても気さくな方でした。

マスコミのお客様 ・・・・・ 出発前のブリーフィング (打ち合わせ) で、「今日は雑誌の取材の方々が乗られます。」 という報告がありました。私の担当の場所です。「無料のお客様だから、サーヴィスはサラ〜っとで結構。」 と言われたかどうかは記憶が定かでありません。(笑)
仕事中、望遠レンズをつけたカメラで写真をたくさん撮られました。着物姿の写真も、です。
笑顔がひきつりました。「こんな写真が載ったらどうしよう…」

次号の雑誌が本屋さんに並んだとき、ドキドキしながら頁をめくりました。
確かに外国の写真はありましたが、機内の写真は一枚もありません。最後に 「取材協力:日本航空」 の文字があるのみでした。(^^;

一般のお客様 ・・・・・ ある時、ロサンゼルスからの帰りのフライトはすいていて、窓際に若い女性が一人ポツンとしておられたので、私は隣の席に座って話し込みました。彼女は私と同い年で、メキシコでの留学を終えて帰国されるところでした。

1年か2年後のこと。満席のホノルル便の機内で、ツアーの添乗員となった彼女と再会したのです。私の思い出の一番なつかしいお客様です。