57.機内での事故
2018年6月9日 6月6日、ベトナムのホーチミンを出発しようとしていた全日空機が、入る誘導路を間違えそうになって急ブレーキをかけたために客室乗務員5人が怪我をした件につき、ツッコミを入れてみたいと思います。その前に、離陸前にポン・ポンとチャイムが2回鳴ることを皆さんお気付きですか? あれは「これから離陸するよ」という機長からの合図です。なのでこの時点では客室乗務員も全員着席していますが、事故はそれより前、乗務員が乗客のシートベルト着用をチェックしている時に起こりました。機長は支障が無いと判断して飛行を続け、成田空港に着いてから一人が腰の骨を折っていることが分かり、航空事故と認定されました。
私は骨折したことがないのですが、痛いんでしょう? 一人でジャンプシート(乗務員用の折り畳み椅子)まで歩けたのでしょうか? もし他の乗務員の肩を借りたりしていたら、その様子を乗客の誰かが写真やビデオに撮ってSNSにアップしそうなものですが、それが見当たらないのは傍目には大丈夫そうだったのでしょうか。
でももし誰が見ても重症だったら、飛行機を降りて病院へ行きますよね。そうなったら大変! 客室乗務員は保安要員ですから、既定の人数に足りなかったら最悪の場合、交代要員が来るまで飛行機は飛ばせません。そうなったら乗客を他の航空会社に振り分けたり、ホテル代を出したり、莫大な費用がかかります。それを知っているから骨折した乗務員が我慢をしたのか会社が気付かぬフリをしたのか、今回は乗客に怪我人が出なかったので、詳しい情報が外に出てきません。
機内では常にシートベルトを着用しましょうという話。ずっと昔、まだスチュワーデスという名前が生きていた頃、友人が飛行機の天井に穴をあけてしまいました。飛行機がいきなり数十メートル降下したら、人間はその場に留まっていますから、一見、人が天井に放り上げられるように見えます。それで彼女は頭で天井を壊してしまったわけです。会社からの聞き取り調査で偉い人が言ったそうです。「ベルト着用のサインがついているのに、何故立っていたのかね?」 フン、現場を見ない管理職の言いそうなことね!