38.お客様(家元)
“家元”
とは、「日本の芸道などを家伝として承継している家系のこと。またその家系の当主個人を指しても用いられる」(Wikipediaより)。
近頃は落語家にも “家元”
を名乗っている人がいますが、以下はれっきとした家元のお話です。
その昔、ハワイからの帰り便に家元のご家族がご搭乗なさいました。家元と奥様はファーストクラス、10代の二人のお子様はファーストクラスに近いエコノミーの座席でした。セレブな家に生まれたというだけで自分は少しも偉くないくせに、ファーストクラスでふんぞり返っているガキもいるのに、何と素晴らしいこと♪
と思いました。
飲み物のサービスをしていた時、家元がお子さんに用事があってエコノミーの通路を歩いて来られました。私はカートと自分の身体を端に寄せて家元をお通ししようとしました。
今の飛行機では絶対無理ですね、カートは非常口横の広い所まで移動しないとすれ違えません。だから私はカートがいなくなるまで動かないようにしています。何て協力的な乗客かしら♪(^^ゞ
さてここからが本題。すれ違う際に家元は両手を私の腰に軽く当てて、どかすと言うか、ちょっと横へ置くような仕草をなさったのです! これが他の男性だったらば
「いやらしいオジン !!」
となったところですが、素敵な家元に触れられて私はポー♪となっておりました。でもポーとなりながらも
「家元、かなり女性馴れしているんじゃない?」
と感じていました。(笑)
今ではあの時の息子さんが家元になられ、ごりっぱなお姿の写真が新聞に出ていましたので、あの日のフライトを懐かしく思い出した次第です。